「ほら!着いたよ。」
あきらはつくしを家の中へと手を繋いで連れて行く。
つくしはニコニコ笑いあたりをキョロキョロ見回す。
「かわいい!!童話の中の世界だね!!あたしこういうの好き!!」
ソレは知っているよと4人は心の中で微笑んだ。
家に一歩踏み入った瞬間。
「「おにいちゃ〜〜〜〜ま〜〜〜〜〜おかえりなさい〜〜〜だっこして〜〜〜」」
「うおっ!!!芽夢!絵夢」
双子に抱きつかれ…いや…タックルされ倒れこむあきら。
つくしはそんなあきらを口を開けてみている。
「つくし。顔変」
そう言ってクックと笑う類。
「こいつ等、あきらの妹!見ての通りの双子ちゃん」
「何時もの事だ!!!」
「ふ〜〜〜ん。妹いたんだ!いいなぁーあたし弟しかいないし」
つくしは双子の頭を撫でながら言う。
双子はつくしを見てニコニコしている。
「「つくし?アッ!お兄ちゃまの〜〜〜!!!!」」
双子は何かを言おうとしたが顔を真っ赤にしたあきらに阻まれた。
「芽夢!絵夢!それ以上は言ったらダメダ!」
「「どうして〜〜〜!!!変な事じゃないよ〜お兄ちゃまの秘密じゃないも〜〜ん。
芽夢も絵夢もお兄ちゃまの秘密ママから聞いたりしていないもん〜」」
「「「秘密〜〜〜????あきら〜〜〜何隠している??つくし!!何か覚えているか??」」」
F3に上から見下ろされてオドオドしだすつくし。
ソレはそうである…みんな凄い形相だ。
脅えない女の子がいないわけない。
つくしはキッと下から睨んだ。
三人お顔が赤く染まりだす。
かわいい!!!まじで!!上目ずかい!!
F3が思ったのは言うまでもないがそんな事に本人はわかるはずも泣くそのままの状態で言い放つ。
「覚えてない!!!この家に見覚えがあるんだけど。う〜〜〜ん、総ちゃんの家よりかは落ち着くんだよね。」
「そうか!!つくしは昔っからF4の中で俺の家が一番のお気に入りだったからなぁ」
あきらがつくしの頭を愛しそうに撫でていると…
「あ〜き〜ら〜く〜〜〜〜ん♪おかえりなさ〜〜〜〜い♪きゃ〜〜〜つくしちゃん!!!
可愛くなったわね〜〜〜あきらくん!つくしちゃん借りるわね〜〜〜」
「あのっ?えっ?ちょっと!!!まって!!」
慌てふためくつくしをほとんど引きずるようにお袋が連れてってしまった。
妹たちもうれしそうに後を追いかけていく。
わるい…お袋の餌食にしてしまって…しかし、楽しみだ。
「あーあ…相変わらずだね。つくしはどんな格好になるんだろう?
俺ウサギさんの格好をしたつくしが可愛かったな。ずいぶん前の話だけど」
類が言うと総二郎も続く。
「俺は着物姿が好きだぞ!茶道のときギャギャいいながらも着てきたからな。
よくスッ転んでいたけどな。」
ハハッと笑う総二郎。ポーカーフェイスはどこへ行ったんだ?
「ふん!俺は昨日のドレス姿が良かった!!!お前らは見ていないだろう!!
どうだ!!うまやらしくて仕方ないだろう!」
ふんぞり返って言う司。呆れて言葉も出ない。
間違えているし。
お前は小学生かよ。
俺達はつくしをリビングで待つことにした。
暫くたったとき類が俺に悪魔の言葉を投げかける。
「あきら……つくしと一緒にお風呂はいって、同じベッドで寝たの?」
俺は飲んでいたコーヒーを噴出した。
顔を上げると……般若が3人いる。
まじで怖い…。
「あ〜き〜らぁ〜〜!!!!どういうことだコロスゾ!!!!」
司にいきなり胸倉をつかまれた。ウゲッ!!まじで絞め殺される!!!
事実だがソレは!!!
「あきら!!!俺達は知らないぞ!!!昔の話だろうが…
F4のなかでつくしに対して秘密なん……いや…とにかく!!!説明しろ!」
総二郎が少し顔を赤くしながら俺を睨み付けてくる。
ある意味怖い。
お前も何か隠しているな?
後で吐かせてやる!!!
総二郎が司を落ち着かせ俺は解放されたが…三人は俺を睨み付けたまま。
「「「説明してもらいましょうか…」」」
「ウグッ…類!お前どうして!!!」
「あきらの妹達が小声で話していたよ。」
シレッとニッコリ笑顔が悪魔に見えるのは何故だろうか…。
「降参。類の言うとおりだけど。俺が4つでつくしが3歳のときだぞ!!!
下心なんてない!!!」
「俺達はそんなこと言ってないけど?顔赤いよ?
あきら3歳のつくしの裸でも思い出しているの?
ロリコン…あきらは年上より年下が好きなんだね。」
「俺でさえまだみたことないのに !!!!」
ギャギャ喚くこいつ等。
はぁ〜だって仕方ねぇーだろう!!!
お前等と遊んだ後、つくしがいきなり東屋で『つくち〜〜〜ここいりゅ〜〜!!!あきたんと!!』って
泣き出したんだよ!!!
調度つくしの弟が生まれたころで母親が帰っても家にいないことも重なって、
お迎えの使用人に駄々をこねていた。
普段は聞き分けの良いつくしが大声で泣き叫ぶんだよ。
泣き顔なんて見たくなかったから、
つくしに俺はつい『いいよ!!つくしちゃん!お泊りしていこう!』って言ったら、
まじうれしそうに笑ったんだよ。
『つくしちゃ〜〜〜ん♪今日はここでお泊りね〜〜〜♪
あきらくん〜〜ママうれしい〜〜つくしちゃんが娘になったみたいで♪』
母親はそう言ってつくしをギュ〜と抱きしめる。
『あきたんのまま!!甘いにおいがする〜ケーキの匂い〜つくしケーキ好きなの』
つくしがそういうもんだから、その日の夕飯はケーキのオンパレードだった。
定番のイチゴショート、ガトーショコラ、タルト、チーズケーキ、ロールケーキ
などなどお菓子の国のごとくケーキをつくしと一緒に食った。
つくしの口の周りについているクリームを拭いてやったり、ケーキを取ってやったり
したことが幸せだった。
暫くして、お袋がとんでもない事を言い出した。
『あきら君と一緒にお風呂はいろうかぁ〜♪』
『えっ?』 『わ〜〜〜いい!いっちょ〜♪』
『ちょっと!!ママ!つくしちゃん女の子だよ。』
俺は4歳だったが、そういうところはキチンとしていたと思う。
顔を真っ赤にして言う俺にお袋とつくしは
『あきら君はいやなの?』 『きりゃい…なの…』
次の瞬間つくしは泣き出すしお袋は
『つくしちゃんがかわいそうだわ〜〜〜あきら君ひど〜〜〜い』って泣き出すし…
あのころから俺は苦労していた。
『判ったよ。ごめんなさい。ママ…つくしちゃん泣かないでよ』
『あうっ…エック…いっちょ?』
『一緒だからね。』
ギュと抱きしめてつくしの頭を撫でてやるとつくしから抱きついてきた。
俺に対してそんな事をしたのはその時が最初だったから、よく覚えている。
その後の事は鮮明に覚えているのだが……詳しくは言えない。
言ったら間違いなく殴られる!!!
こわ!!!俺はまだ命が欲しい!
「ふ〜〜〜ん…いったらまずいんだね…何したの?
お風呂はいって、ベッドであきらの事だから絵本でも読んであげたんだよね。」
類が俺をにらみつけながら言う。
ああ!!そうだよ!!!わるいか!!!絵本読んでやったよ!!
心の中で逆切れ…した。
それからも三人の尋問が続く。
つくし〜〜〜俺を助けてくれ〜〜〜
頼む!!お前しかいない!!!この三人のガキを大人しくさせる女はお前だけだ!!
お袋!!頼むから…
その時、絵夢と芽夢が飛び込んできた。
「「おにいちゃま!!こっちにきて!!!かわいいよ〜〜おねえちゃま!!」」
「ぎゃ!!!絵夢ちゃん!芽夢ちゃん!チョット!!この格好は!!!はずかしい!!!」
「まぁ〜〜〜♪なにしているのさぁ〜〜〜はいって!」
つくしが入ってきた。