「初めまして、牧野つくしです。」
とりあえずだがつくしは挨拶をした。
道明寺楓はにこやかに微笑んで満足そうにつくしをみつめる。
「千恵子の若い頃に本当にそっくりね。」
「えっ・・・」
するとコロコロ笑い出す。
「あっ、ごめんなさい。ご存じなかったわね。私と千恵子は子供のころからの親友なのよ。」
な・・・なに!!!
ママと鉄の女が!!!イメージ合わない!!!
つーか!!!この状況はお見合いよ!!!
娘騙して!!!何が『フレンチで食事』よ!!!
この母親〜〜〜後で文句言ってやる!!!
「それは存じ上げませんでした。処でこの状況に混乱しているのですが・・・お母様?」
「オホッツツ!!何を言っているのかしら?つくし、出会いも大切なのよ。そうですわよね。楓さん」
ニッコリ笑う姿が悪魔に見えるのは気のせいだろうか・・・とつくしは思う。
この母親は・・・娘をなんだと思ってんだ!!
チョット待て!!!この状況が無理やりお見合い!!なのはわかる!!
で・・・肝心の・・・
つくしがキョロキョロすると楓さんのすこし困ったような声が聞こえてきた。
「ごめんなさいね。つくしさん・・・もう直ぐ息子も来るから・・・お待たせしてごめんなさいね」
待っていないよー来ないで!!!誰だか知らないけど!!!こないで!!!
神様!!!どうか!!!これが夢でありますように!!!
心の中で髪に祈りを捧げていると扉の向こうが騒がしい。
ギャギャと男の声がここまで響いてくる。
「おい!!!お前ら!!!離しやがれ!!ぶっ殺すぞ!!!」
なんなの?煩いわね!!!あんな煩いのとは関わりたくない!!!
つくしはそう思ったのだが3秒後にはその願いは打ち砕かれた。
「「「「「楓様。司坊ちゃんをお連れしました」」」」」
SPに拘束されているようなクルクル頭が扉の向こうからやってきたのだ。
ゲッ・・・まさかこの男が!!!
お見合い相手ぇー何だか凶暴そうだわ!!
青筋立てて楓さんを睨んでいるし、SPサン達はところどころ傷だらけだよ・・・
SPにここまでやる事ないでしょう?
* * *
「遅かったじゃない!司さん!!なにやっているの!!早く席に着きなさい!!!
ごめんなさいね。千恵子さん、つくしさん。」
ジタバタ暴れていた司の動きがとまった。
『つくし』という名前に反応したようだ。
食い入るように司はつくしをみつめる。
つくしは間抜け顔で司を見ている。
司は状況を整理し始めた。
寝ている所を無理やり起され着替えさせられここまでやって来た。
どう見てもこれはお似合い(お見合い)だ・・・
その相手というのが・・・
司はクッと笑いSPの手を軽く振りほどき乱れた服装を正しながら席に着く。
そしてつくしにだけしか聞こえないほど小さな声で
「久しぶりだな。」
そういった。
つくしは相変わらずの間抜け顔だ。
かわんねーな・・・この顔。
しかし・・・綺麗になったな。
つくし・・・
司は食い入るようにつくしをみつめる・・・がつくしは視線を外す。
おい!!何年ぶりの再会だというんだよ!!!
まだ怒ってんのか・・・あん時の事を・・・
許せよ・・・10年もたっているじゃねーかよ!
司はため息をつきながらつくしを見つめ続ける。
「司さん。此方牧野つくしさん・・・貴方の婚約者です。
他にもいましたが私もお父様もつくしさんを第一候補として考えています。」
ババァの声に大きく眼を見開くつくし。
そおかぁ〜そんなにうれしいのか♪
ところがこいつは・・・
「えっ・・・ちょっと・・・いきなり言われても困ります!!
初対面の方ですし・・・他にご婚約者がいるなら私じゃなくても・・・」
司はつくしの発言に大きく反応する。
初対面・・・初対面だ!!!!
思わず立ち上がってつくしの腕を掴む。
「つくし!!!!チョット来い!」
呆けているつくしの腕を掴みテラスへと出た。
「ちょっとなんですか!!!呼び捨てにして!!!」
キッと俺を鋭く睨んでくる。
こ・・・いつ!!!俺の事馬鹿にしてんのか!!
「おい!!!お前なに怒ってんだよ!!何が・・・初対面だぁ〜〜何度もあっているじゃねーか!!」
「はい?どこででしょうか?」
ムカッツ・・・このやろ〜〜〜!!!!
殴りたいが・・・相手はつくしだ・・・グッと拳を握り締め耐える。
我慢だ・・・我慢・・・こいつは照れているだけだ!!
俺はこいつより年上だ!!我慢だ!!我慢は三枚のときだ!(何もかも違う事に気付くわけはない)
なんてったって!!俺の婚約者だからな!!!
「昔あってんだよ!」
「何かのパーティーかなんか?あたしは知りません!!!もう!!
いきなり腕を掴むなんて・・・痛いじゃないですか!!!
あたしは・・・あんたのことなんて知らない!!これからも知りたくない!!
大体あたしは・・・お見合いなんて知らなかった!!!婚約者だと!!!そんな事はお断りよ!!!」
カッとなってつくしの唇を無理やり奪う。
抵抗したが・・・この俺様に叶うはずはねぇー
しかし・・・やわらけぇー
俺がまどろんでいるとドスッと鈍い音とともみぞおちに痛みが走る。
「・・・なにすんだよ!!!女に癖に殴るなよ!!!しかもグーで!!!まじいてぇ!!」
さすりながら言えどつくしは真っ赤になりながら俺様に悪態をついてくる。
「さ・・・最低!!この馬鹿!くず!エッチ!スケベ!!!
よくも・・・よくも・・・このあたしのファーストキス!!奪ってくれたわね!!!一生の不覚だわ!!!」
その答えに笑みがこぼれる。
「初めてだったのか?ふーん・・・どおりで下手くそなわけだ!相変わらずの口の悪さだな」
「だからあんたは誰よ!!!」
こいつ!!!この場に及んで!!!
「道明寺司だよ!!!いいけげん・・・思い出せよ!!!あんなに遊んでいたじゃねーか!!!」
「知らない!!!馬鹿!!アホ!!あたしのファーストキスをなんだと思ってんだぁ!!!
悔しい!!!何が遊んでいたのよ!!!知らないわ!!!馬鹿!もう帰る!!!あんたなんて大嫌い!!!」
最後にもう一発お見舞いされつくしは脱兎のごとく俺の前から去っていった。
* * *
つくしは必死に走ってタクシーを拾い部屋まで屋敷まで帰ってきた。
なにやら煩いSPと使用人たちを振り払い部屋へとこもってベットにダイブ。
なんなのよ!!!あいつは!!!いきなりキスするなんて・・・
そのときの事を思い出すと顔があつくなるのがはっきりとわかった。
でもなんなの!!あたしの子と知っているみたいだった・・・
あたし・・・日本にいたころの記憶が・・・曖昧なのよね・・・
何人かの男の子とよく遊んでいたのは覚えている・・・いや・・・アレは遊ばれていたのかな?
誰かは思い出せない。もしかして、その中にあいつもいた?
記憶にあるのは、
何時もお兄ちゃんみたいにあたしの手を引いてくれた男の子。
『つくしちゃんと僕は一期一会だよ』といっていた男の子。
眼がビー玉みたいに綺麗な女の子・・・いや・・・男の子よ!!
それから・・・何時もあたしに悪戯をする嫌な奴。
その4人のうちの一人なのかな?
名前は・・・えっと・・・うーーーーーん・・・
つくしは必死に考えるがもやが掛かったみたいにはっきりとしない・・・
なんでだろう・・・
つくしはそのまま眠ってしまった。
夢を見た・・・アレは・・・あたし。
『女の子虐めちゃだめ!!!虐めるのは悪い子だよ!!!あんた達の悪い根性!!あたしが治してあげる!!』
男の子たちに向かって宣戦布告する幼いあたし・・・恐らく3つぐらい。
映像が変わる。
『ケーキママが作ったんだ。一緒に食べよう』
ニッコリと誰かが微笑む。
『そのクマちゃん可愛いね。つくしのクマちゃんとお友達になってくれる?』
誰かに微笑んで声を掛けるあたし。
『これぇーお抹茶きらい!苦い!!ミルク欲しい!!』
そう叫んでいるあたしに誰かが言う。
『この苦さが良いんだよ・・・僕も最初は苦いと思ったんだよ』
着物姿の男の子はそう言って微笑んでいた。
『バーカ!!ちび!!つくし!!!お前なんか嫌い!!!向こういけ!!』
『あたしだってきらいだぁ!!!ばか!!!』
『ボケ!アメリカでもどこでも行ってしまえ!!!・・・嫌いだ!!!約束したのに!!!何時も遊ぶって!!!』
そう言って去って言った男の子。
そこでつくしは眼が覚めた。
あたりはもう暗い・・・時計を見ると・・・22時15分。
「あちゃーご飯食べ損ねた。」
つくしのおなかがグーッとなる。
体は正直だ。そういえば今日は朝から何も食べていない・・・
つくしは取り合えずドレスを脱ぎ、シャワーを浴びて自分専用のキッチンで軽食を作り食べた。
使用人達は『言ってくだされば何でもおつくりします』というのだが・・・
時間の事とそれ以上に自分の性格がそうはさせなかったのだ。
「今日は最悪な日だった・・・明日は平和に過ごせますように」
しかし・・・この願いも叶う事はなかった。
翌日が本当の意味での再会となる。
夢に出てきた男の子たちは・・・どんな反応を見せるのであろうか?
どっちにしても衝撃的な再会になる事は間違いないであろう・・・
10年ぶりに花と雑草が出会う。
それぞれの思いを胸に秘めて・・・。
あとがき
はい・・・ごめんなさい。
コンナ駄目文で・・・恥ずかしい限りです。
つくしちゃんは司の事をよく覚えていない設定にしちゃいました。
F3の事もあいまいで・・・ごめんね。書きにくいですよね。
それからつくしの夢。誰の事だかお分かりになるでしょうか?
最初はあきら、類、総二郎、司の順です。
なんだろうこの展開は!!と石が投げられるだろう・・・・
この次の展開は!!!お任せします!!!
では!!