英徳大学を卒業して、その余韻に浸る間もなく俺が拠点としているN.Yへとやって来たつくし。

つくしの大学最後の1年を婚約期間としていた俺達は、つくしが大学を卒業すると共に結婚し、

ここ
N.Yでお互いに仕事をして忙しい毎日を送りながらも、幸せな新婚生活と言うものを送っていた。

それから、約半年…。

最近俺は、つくしにとって本当にこの結婚が良かったのかどうか、疑問に思い始めていた――――

 

 

 

    ありのままの君でいて…

 

 

 

結婚して幸せか?と俺が誰かに聞かれれば、俺は間違いなくYes.≠ニ答えるだろう。

18の時につくしに惚れて、何に変えても手に入れたかったつくしを、

名実共に俺のものに出来た事を、幸せ以外のどんな言葉で表せると言うのだろうか。

何よりも大切で、何よりも愛しくて、命に代えてでも護りたいと思ったつくしが、この先ずっと俺の傍にいる。

他人だった俺とつくしを、夫婦≠ニ言う家族に変えた結婚。

それは、俺にとってはこれ以上にない程、幸せな事だ。

それは結婚してから半年経った今も、そしてこれから先も、一生変る事はないと断言出来る。

だが、それは俺に限っての話で…。

 

最近俺は、俺と結婚した事で、つくしの自由に羽ばたく事の出来た羽根を毟り取り、

道明寺≠ニ言う名の巨大な鳥籠の中に閉じ込めてしまっただけなのではないかと、思い始めていた。

 

そう思い始めるようになったのは、1ヶ月程前から。

道明寺財閥の本社で副社長として働いている俺と、

メープル
N.Yでホテルの経営を手っ取り早く学ぶ為に所属部署を持たず、

色んな部署を回りながら道明寺財閥についても勉強しているつくし。

確か今は、ホテルの企画部にいたはずだ。

そんな俺達は仕事をしているお互いの姿を、ほとんど知らない。

 

結婚してから同じベッドに入るようになった俺達。

つくしはベッドに入り俺の腕の中に納まると、俺の知らないつくしの1日を話す。

そんなつくしの話に時々からかったり、相槌を打ったり、つくしの新しい一面を見つけたりしながら、

俺は束の間の休息とも言うべきそんな時間を楽しむ事が、日課になっていた。

だが、ここ最近、つくしの様子が少しおかしい。

今までは、今日は何をして、どんな事があったと、

怒ったり、考えたり、笑ったりとコロコロと表情を変えながら楽しそうに話をしていたつくしが、

段々と貼り付けたような笑顔で話をするようになり、

話している最中にもふと現実に戻るのか、時々つくし自身も気付かずに溜め息を零していたりする。

初めてそんなつくしを見た時、何かあったのかと聞いた俺に、

全て自分の中に溜め込んでしまう癖のあるつくしは、

やっぱり何でもないよ。ちょっと、疲れたのかな?≠ニ言って笑った。

無理に聞き出そうとすればする程、

きっとつくしは意固地になって話そうとはしないだろうと思った俺は、暫くそのまま様子を見る事にしたのだが…。

 

 

 

 

 



「司、少し時間を取れるかしら?」



 

仕事中の俺のオフィスに、珍しくババァからそんな電話が入った。

 



「構いませんが…。

それは、プライベートですか?それともビジネスですか?事によっては後日にして頂きたいのですが…」



 


クソ忙しい時になんだよ…


 

内心そう思いながらも、滅多に掛かってくる事のないババァからの電話に、妙な緊張感が俺を包む。

 



5050と言ったところかしら。詳しい事は後程話します。

では、1時間後にメープルに来なさい。あなたに見せたいものがあります。」



 

ババァはそれだけ言うと、俺の返事も聞かずに電話を切った。

仕方がないので、秘書に1時間後からの予定を後日に回させ、俺はババァに指定された時間にメープルへと向かった。

 

 

 

コンコンッ

 



「失礼します。」



 

メープルの社長室。

ババァの部屋の扉をノックし、返事を待たずに部屋へと俺が足を踏み入れると、

ババァはそれまで見ていた書類から顔を上げ、俺を真っ直ぐに見つめた。

 



「何の御用でしょうか。」



 

スケジュールを半ば無理やり変更させられた事への苛立ちを、

何とかポーカーフェイスで隠しながら、俺はババァの座るデスクの前に立つ。

ババァはそんな俺をジッと見つめたと思ったら、フゥと軽く溜め息を吐いて、

 



「司…。あなた、最近つくしさんとうまくいっているの?」



 

と、ビジネスとは全く関係のない話を始めた。

まさか、そんな話がババァから出てくるとは思ってなかった俺は、

あまりの事に驚きを隠す事が出来ず、思わず素っ頓狂な声を出してしまった。

 



「はぁ?!な、何の話だよ!ビジネスの話で俺を呼び出したんじゃねぇのか?!」

 

5050と言ったはずです。人の話はちゃんと聞きなさい。

それから、あなたに見せたいものがあるとも言いましたね?ついていらっしゃい。」



 

ババァはそう言うと、さっさと自分のデスクから離れ、社長室を出て行こうとする。

俺はババァが何を考えているのか全く分からないながらも、

つくしの名前が出たのが気に掛かり、黙ってババァに従って後に続いて部屋を出た。

 

連れて行かれた先は企画部のある階で、企画部の隣室に当たる部屋だった。

そこに用意されたテーブルの上には、モニターがセットされている。

 


何だ?

見せたいものって、これの事か?

ババァの奴、何考えてやがる…


 



「そこに掛けてモニターをご覧なさい。私があなたに何を見せたかったのか、すぐに分かります。」



 

ババァはそれだけ言うと、秘書に持って来させた先程社長室で目を通していた資料に、また目を通し始めた。

俺はババァの意図が掴めないまま、モニターの前に置かれた椅子に腰掛け黙ってチェックする。

すると、そこにつくしの姿が映し出された。

 


アイツ…

ちゃんと、仕事してんじゃん。


 

きっちりとスーツを身に纏い、普段見る事のないつくしのビジネスモードの表情に、俺の顔が綻んでいくのが分かる。

ババァが近くにいる事も忘れて、俺は緩んだ表情のままモニターの中のつくしの姿に釘付けになっていた。

暫くそのまま、仕事をしているつくしの様子を見ていた俺。

だが、その映像を見ている内に段々と、

プライベートからビジネスモードへと意識が変わってくるのが自分でも分かった。

モニターの中では、つくしの考えたんだろう企画について、数人の社員が集まり会議を開いているのだが、

発案者であるつくしの様子がつくしらしくない。

と言うのも、常に周りの事に気を遣い、

俺とは違って自分の意見を押し通すなんて事を滅多な事ではしないつくしが、

強引とも言えるやり方で自分の企画を通そうと話をしているのだ。

そのつくしの表情は、仕事を楽しんでいると言うよりは、寧ろ焦っている感じさえ伺える。

企画の発想自体は、奇抜ながらも斬新で良いアイディアだとは思う。

だが、そのまま使うにはデメリットが多いアイディアで、

改善してからまた考えようと言った社員に、つくしは尚も食い下がろうとする。

 


ホント、どうしちまったんだ?

んなやり方、お前らしくねぇじゃねぇかよ…


 

眉間に皴を寄せながら、食い入るようにモニターを見つめていた俺に、ババァが声を掛けて来た。

 



「最近の彼女は、いつもこんな調子です。

何を焦っているのか私には分かりませんが、このままでは彼女、仕事がし辛くなりますよ。

こう言った強引なやり方は、彼女の一番嫌いな事だったのではないですか?

頼る相手のいない
N.Yで彼女の力になれるのは、司、あなただけのはずですよ。

彼女よりも数年早くビジネスの世界に身を置いてきたと言う自負があるなら、

先輩としてアドバイスして上げなさい。そして、夫として彼女の支えになってあげなさい。」



 

ババァはそれだけを口早に言うと、ババァの言った言葉に驚き固まっている俺をその場に残し、

自分は仕事が残っているからと部屋を出て行こうとする。

そんなババァを、俺は、

 



「お袋…っ!」



 

と呼び止め、

 



「その…何だ…。悪かったな…ありがとう…」



 

と振り返ったババァの顔を見る事なく、呟いた。

言い切った後、ふとババァの顔を見た俺は、

表情にこれと言った変化は見られなかったが、僅かに顔を染めたババァの顔を目にした。

 



「後はあなた達次第です。頑張りなさい。」



 

俺に背を向けた格好でそれだけ言うと、ババァは今度こそ部屋を後にした。

 


んだよ…

結局、自分がつくしの事を心配してたんじゃねぇか。

ったく、素直じゃねぇな、あのババァも…


 

今のつくしの様子を知らせる為だけに、わざわざ俺を呼び出したババァ。

きっとババァはババァなりに、この半年間つくしを見てきて限界が近い事を感じていたんだろう。

 


暫らくそのまま様子を見ていようなんて思わずに、

さっさと俺がつくしの話を聞いてやっていれば良かったな…


 

1人残された部屋で俺はそう反省すると、

先程のババァの姿を思い出し、1人密かに笑いながら、

今日はそのまま自分のオフィスには戻らずに、邸へと帰る事にした。

 

 

 



「若奥様がお帰りになられました。」



 

そう言って使用人が俺に声を掛けてきたのは、午後8時。

普段はつくしが俺を出迎えに来てくれるエントランスへ、今日は俺が出迎えに向かう。

 



『お帰りなさいませ。』



 

そう言って帰って来たつくしに頭を下げる使用人の列。

その対応にまだ不慣れなつくしは、ビクッと身体を強張らせながら、

 



「た、ただいま戻りました…」



 

とオドオドした態度で、使用人の列を見る。

その真ん中に俺の姿を見つけたつくしは、元から大きな目をこれでもかと言う程見開き、

 



「ど、どうしたの?何で、司の方が早いの?

え?えぇ?今、何時?まだ、8時だよね?あたしの時計、壊れてるのかな?」



 

俺の顔と自分の腕時計を交互に見つめ、本気で驚いていた。

 



「お前の時計は壊れてねぇよ。今日は、たまたま俺の方が早かっただけだ。」



 

あまりのつくしの驚き振りに苦笑を零しながら、俺は使用人の列を通り抜け、つくしの目の前に立つ。

 



「お帰り、つくし。お疲れさん。」



 

そう言いながら、慣れないこの土地、そして会社で1人頑張ってきたつくしを腕の中に閉じ込め、

その小さな赤い果実に自分の唇を寄せた。

 



「た、ただいま…」



 

唇を離した後、僅かに顔を赤く染めて、つくしが照れたように微笑みながら言う。

さっさと2人になりたかった俺は、つくしの腰に手を当ててエスコートしながら部屋まで向かった。

 

会社や仕事の話ではなく、本当に他愛もない話をしながら、

久々に2人でゆっくりと夕食を食べ、バスへ入り、

明日も朝が早いと言うつくしに付き合って、俺も一緒にベッドへと滑り込む。

 

いつものようにつくしを抱き締めると、今日はつくしが話し出す前に俺から話を切り出した。

 



「なぁ、つくし…」



 

そんな俺の呼びかけに、つくしは「ん?どうしたの?」と言いながら、腕の中から俺を見上げるように顔を上げる。

 



「お前、何か最近悩んでねぇ?」



 

下から見上げるつくしと視線を合わせ、真剣な顔で俺がそう聞くと、つくしは表情を曇らせて、

 



「別に…。何も悩んでないわよ。」



 

と小さな声で呟いた。

 



「んな顔して悩んでねぇって言われたって、信じられる訳ねぇだろ?」



 

どこまでも意地を張るつくしに、はぁ〜と溜め息が零れる。

呆れた溜め息を吐きながら、つくしの顔を俺の胸に埋め、髪を撫でながら、

 



「俺達、毎日寝る前にこうして色んな話してるよな?

俺さ、お前が楽しそうに会社や仕事の話してるのを見るのが、すっげぇ好きなんだ。

でもな、最近の会社や仕事の話してる時のお前の表情、すっげぇ無理に笑っててよ…。

自分でも気付いてねぇんだろうが、時々、溜め息吐いてる時もあったりするんだぜ。

そんなお前を見る時、俺がどんな思いしてるか、お前、知ってるか?」



 

俺がそう言って苦笑すると、つくしはゆっくりと俺の胸から顔を上げ、

困ったように眉を下げながら、小さく首を左右に振った。

 



「すっげぇ遠いんだよ…お前が。

お前が俺の手の届かないところにいるような気がする位、お前の存在が遠く感じるんだよ。

お前が何考えてんのか分かんなくて、俺が何か出来る場所にいる気もしなくて…。

こんなに近くにいるのに、身体は触れ合える程、傍にいるのに、お前の気持ちだけがすげぇ遠い…。

可笑しいよな、確かに俺はお前を抱き締めてるはずなのに…」



 

そう独り言のように呟きながら、つくしを抱き締めている腕に力を込める。

 



「ここんとこ、ずっと思ってたんだ。

お前は俺と結婚して幸せなのかって、俺だけが幸せって言葉の意味を噛み締めてるんじゃねぇかって…。

道明寺≠チつー鳥籠はすっげぇでかくて、飛んでいるように思えても、実際はその籠から出られない。

今まで自由に、生き生きしながら自分の翼で飛んでいたお前の羽根を、

俺が結婚って言う形で毟り取っちまったんじゃねぇかって、

らしくねぇけど、すっげぇ不安だったんだよ…」



 

俺がそう言って苦笑すると、つくしは悲しそうに眉を寄せて僅かに揺らした瞳で俺を見つめていた。

 



「でもよ、勝手だけど俺は、つくしがこの鳥籠から出たいって言ったって、出してやる事は出来ねぇんだ。

お前を苦しめてるって分かってても、俺はお前だけは放ねぇんだよ…。

きっとこの先も、死ぬまでずっと、お前は俺と一緒にこの籠の中にいなきゃなんねぇと思う。

辛いだろうし、しなくて良い苦労もさせると思う。

だからって、俺を置いて遠くに行くな。

お前が俺の手の届かねぇところに1人で行っちまったら、俺が何も出来なくなっちまうだろ?」



 

俺がそう言うと、僅かに揺れていたつくしの瞳が、徐々に大きく揺らいでくる。

 



「せめて、俺の手の届くところにいてくれ。すぐに手を差し伸べてやっから。

何でも話せ。自分の中に溜め込むな…。

前にも言った事あったろ?俺はどんな時でも、お前を護ってやるって…。

庇われる事と護られる事は違うし、当てにする事と頼る事は違うって。

お前が1人で戦いたいって言うんなら、俺は支えてやるからって、俺、そう言っただろ?忘れたのか?」



 

そう聞く俺に、今度は大きく首を左右に振って否定するつくし。

 



「忘れてない…忘れてないよ…。ちゃんと、覚えてる…」



 

そう発するつくしの声は、涙声だ。

 



「だったら…、だったら、俺を1人にするな。

お前の身体だけが俺の傍にあったって意味ねぇんだよ。

身体が傍にあるんなら、心もちゃんと傍に置け。」



 

そう言って俺がつくしをもう一度腕の中に閉じ込めると、つくしは嗚咽を漏らしながらも、

 



「遠かったのは、司だよ…」



 

と小さく呟いた。

 



「置いていかれたような気がしてたのは、あたしの方だよ…。

あたし、結婚するまでの間に、この世界の事勉強したつもりだった。

司がいる場所も、ちゃんと分かってるつもりだった。

だけど、結婚してこの道明寺に入って、改めて、司がどんなに高い場所にいるか実感したの…。

少しでも良いから近づきたくて、司の妻だって胸を張って隣に立つ為に追いつきたくて、

必死で頑張ってもなかなかうまくいかなくて…。

道明寺 つくし≠チて言う1人の人間を認めてほしくて、ただ必死で…。

今のあたしがあたしらしくない事に気付いたら、何かもう悪循環で…。

どうしたら良いのか、分からなくなってきちゃってたの…。

ごめんね…ごめんなさい。もっと早くに、こうして話してれば良かった…」



 

泣いて鼻を啜りながら、やっと本当の事を話してくれたつくしに愛しさが募る。

 


馬鹿だな、お前…

んな無駄な努力なんて、しなくて良いのによ…


 

そう思い苦笑しながらも、そんなつくしが可愛くて、俺はつくしの額にキスをした。

 



「周りに流される必要なんて、どこにもねぇんだよ。焦る必要なんてねぇんだよ。

俺はいつもお前の傍にいて、お前が悲しかったり、淋しかったりする時は、

こうして抱き締めて、お前の涙を拭いてやる事も出来る。

1人で何とかしようとする必要はねぇんだよ。」



 

そう言って、俺はつくしの小さな手を握った。

 



「俺はお前のこの小せぇ手を握る度に、お前を幸せにしてやりてぇって思ってる。

それと同じだけ、俺も幸せになりてぇと思ってる。

その為には、つくしがつくしであり続ける事が大切なんだ。

俺が欲しいと思うのは、護りてぇって思うのは、ありのまま≠フお前なんだぜ?

作った≠ィ前なんかじゃねぇよ。良いじゃねぇか、周りがなんて言ったって…。

俺はお前に必要なものは、もう全てお前は持ってると思ってるぜ。

無理に何かを手に入れようとする必要はねぇよ。

これは、俺だけじゃねぇ。ババァだって分かってる事だ。」



 

俺の口から意外な人物の名前が出た事に驚いたのか、つくしはまだ涙で濡れる瞳で俺を見ながら、

 



「お義母様?」



 

と、鸚鵡返しに聞いてきた。

 



「あぁ。お前が何か焦ってんじゃねぇかって、わざわざ仕事中の俺をメープルまで呼び出して、

お前の仕事してる姿を企画室の別室で、モニター使って俺に見せた位だからよ。

このビジネスの世界の先輩としてアドバイスして、夫としてお前を支えてやれってよ。

そう思うなら、てめぇでやれば良いのによ…。

ったく、素直じゃねぇぜ、あのババァも…」



 

「嘘…信じられない…」と呟きながら、大きな目を見開いて口元を手で覆っているつくし。

俺はそんなつくしに微笑みかけて、

 



「な?分かる奴には分かんだよ。それで良いんだ。分かったか?」



 

と、ウジウジ悩んでいたつくしの額を自分の指で弾いた。

「痛っ…」と言いながら、俺に弾かれた額に手を当てるつくしの表情は、

今までのような曇った表情ではなく、すっきりとした爽やかな笑顔を浮かべていた。

 



「ありがと、司…。お義母様にも、お礼言わなきゃね…」



 

へへっ…と照れたように笑いながら、つくしは俺の胸に額を当てた。

 



I’m always on your side.

So don’t change yourself.

I love you of the truth.

So be yourself.



 

胸に顔を埋めたつくしの頭を抱いて耳元でそう囁けば、つくしも俺の首に腕を回して、

 



Me too.

 I love you of the truth too.



 

と呟き、どちらともなく唇を合わせた。

 


忘れるなよ、つくし。

 

俺はいつもお前の傍にいる。

だから、お前は変わるな…

 

そんなお前が、苦しくなる程、愛しいから、

いつまでも お前≠ヘお前≠フまま、

俺の傍にずっといろよ。






俺は心の中でそう呟きながら、つくしにこの思いが伝わるようにと、有りっ丈の想いを込めてキスをした。

 

 

 

 

 

                                                            
   Fin.






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