この世の何処かにあるという 「Shangri-La」・・・

 

私にも捜せるのだろうか・・・、人々が幸福に暮らせると云う

 

ユートピアを・・・

 

 

 

Shangri-La

 

 

 

「ママぁ〜!」

 

空が黄昏色に染まる5月の庭

やさしい風が吹き抜ける

子供達と戯れる愛しき男(ひと)

無邪気な子供達の笑い声がやさしい風にのって私の耳に届く

何処にでもある情景

あの幼い頃の私には想像すらできなかった情景

 

親の見栄で入った高校

重い制服を着て通った

ブランドや異性の話しかしない中身のからっぽな人たち

「光のごとく、矢のごとく」過ぎて欲しかった3年間

何事もなく 慎ましく 静かに・・・

でも、嵐は何の前触れもなく突然遣ってきた

最低最悪の出会い、そして それからの怒涛の様な日々

私の殻をものの見事にぶち壊してくれた男(ひと)

愛し、愛される事を教えてくれた男(ひと)

「言葉にしなければ伝わらない思いもある」

この事を教えてくれた男(ひと)

一途に人を愛する事を教えてくれた男(ひと)

苦しみや悲しみから乗り越える術を教えてくれた男(ひと)

私にかけがえのないもの達を授けてくれた男(ひと)

 

黄金(こがね)色の光を背に受けて

私の元に駆け寄る宝物たち

 

「さっき、パパがね…」

 

私の足に絡まる小さな手

私の肩を抱く大きな手

どちらの手も決して離さない

日常の何気ない出来事

何処にでもある情景

 

ここが私のシャングリラ

永遠になくならないシャングリラ

私だけのユートピア

 

 

 

 












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