俺は今すこぶる機嫌が悪い・・・
4年の・・気が狂いそうなぐらいながーーーい遠距離恋愛の末俺達は結婚した!
まぁ・・・つくしの事だからごちゃごちゃいう事は長年の経験からわかっていた!
そこで!!!俺は既成事実を・・・文字通り作って結婚を早めたというわけだ!!!
数ヵ月後には父親をなった俺様。
はじめて・・・子供を抱いたときは涙を流していたらしい・・・
あとで・・・あいつらに散々からかわれた。
ふん!お前ら俺様が羨ましいんだろうが!!!
なんてったってつくしを手に入れたのはこの俺様だからな!!
類!ざまぁみろ!!!
子供の名前も、ババアが『跡取りです!』とかいうのを無視して俺が決めた!!!
道明寺誠(どうみょうじ まこと)
どうだ!!いい名前だろう!
で・・・月日はたつのは早いもので・・・
こいつも今日で5歳。
今日誕生日パーティーが開かれる。
つくしは始まる前からソワソワ・・・ハラハラ・・・
「おい!お前が緊張してどうするんだ?」
微笑んでいうと俺を見据えてこういう。
「だって・・・あの子!!!壇上で挨拶するのよ!大丈夫なの??」
「はっ!俺だってあのくらいの頃からしてきたぜ!!!」
ふんぞり返っていうと・・・なんだその冷たい視線・・・
「タマさんが・・・言ってたわ・・・司
脱走したようじゃない・・・言うのがイヤで・・・呆れた」
「そ・・・それは・・・昔の事だ!!!つくし・・・タマ・・・ほかに何か言わなかったか??」
「クスッ・・・別にぃーただ・・・」
つくしが何か言いかけたとき・・・
俺の最大のライバルがやって来た・
「マァマァ〜〜〜〜♪」
そういいながらつくしの脚にしがみ付いている。
「誠。どうしたの?」
「ううん。なんでもないよ。ママに抱き尽きたい!ぼく〜〜〜♪
ねぇーママちゃんとご挨拶できたらお願い聞いてくれる?
内容は成功したらお話しするかよーねぇーおねがい〜」
クソ甘えた声で俺のつくしに擦り寄るな!!!
「おい!誠!離れろ!!!」
「イヤ!俺ママといるときが幸せなんだ〜パパは挨拶回りでもいってきたら〜
お友達も来ているよ〜ママは僕に任せてバイバイ!」
手なんか振りやがって!!!
みていろ〜〜〜!!!
「誠!お前も来なさい!挨拶回りだ!」
お前とつくしを一緒にしておけるかよ!
誠はブツブツいいながらも俺についてきた。
俺の命令は絶対だからな!!!
誠を連れて会場内をまわる。
直ぐに狸親父達が擦り寄ってきやがる!
うざい!
誠は笑顔で挨拶をしている。
「こんばんは!道明寺誠です!」
「挨拶が出来て偉いね」
「いえ」
そして、軽く会釈をするとその場を後にする。
誠は俺の後をチマチマついてきた。
何十人目だろうか・・・ふと後ろをみると・・・いねぇー
誠の奴!!!どこ行きやがった!!!
あたりをキョロキョロして捜していると・・・
いた・・・おい!狸親父人の息子捕まえて何してんだよ。
俺は直ぐにその場に行きたかったが・・・誠は俺を見て軽く頷いた。
まるで『任せて!』そう言っているように。
俺は暫く様子を見ることにした。
狸親父は幼い息子になにやら言っている。
「誠君にお願いがあるんだよ。実はね、お父さまに我が社とのプロジェクトの件を
進めてくれるように頼んでくれないかな?かわいい一人息子に頼まれればきっと道明寺社長も」
なに言い出すんだ!!!
5歳児に!!!
俺助けに行こうとしたとき・・・
「父に相手にされないので・・・息子の俺に媚を売るおつもりですか?
生憎ですが・・・5歳児にそのような事をいう社長もいるんですね。
それに・・・その石油関連のプロジェクトは大河原財閥との提携が決まっているはずですが・・・
今日ね・・・ご存知ありませんでしたか?
明日の経済誌をご確認した方がよろしいですよ。
5歳児が知っている事も知らないなんて・・・
貴方僕よりも50歳以上年上でしょう?もう少し周りを見てくださいよ。
アッ!余計な事をいってすいません!5歳児のガキの冗談だとお受け取りください。
では!父があそこで見ていますので・・・」
そう言って俺の傍に走りよってきた。
俺は狸親父を軽く睨んで誠の手を引きその場を後にした。
歩きながらキョロキョロしている誠を見据えた。
こいつ・・・誰に似たんだ?
「ねぇーーーパパーーさっきの言葉間違っていた?
お祖母さまが言っていた内容を少し弄くって喋ったんだよ。」
ババアかよ・・・
ったく!驚かせやがって!
「お前!!挨拶がもう直ぐだが・・・間違うなよ!!!
練習したとおりにいうんだ!!」
「わかっているもん!!!パパは心配しなくても!僕はちゃんとやる!
挨拶の前にママに抱きついてくる!!!」
「おい!お前!つくしに甘えるな!!!」
「いいじゃん!」
そう言って駆け出す誠の後を追い再び・・・・おい!類!何!つくしに微笑んでいるんだよ!!!
くそっ!おい!つくしも顔を赤らめるな!
イラつきながら類に文句を言ってやろうとしたとき・・・
バコッ!
「いたい・・・誠。」
誠の奴が類の脛を蹴り上げた。
「おい!類!お前まだママにちょっかい出してんだな!油断もすきもない奴だ!
ママは俺のだよ!近づくな!」
そういいながらつくしに抱きつくが・・・
ゴン!!
今度は誠につくしの鉄拳が繰り出された。
「いたぁーい!ママ!」
頭を抑えてつくしを見上げる誠。
「なんてことするの!」
「だってぇーママは僕のでしょう?類が寄るとママ顔赤くなるもん!それがイヤだ!!!」
「でも蹴るのは駄目!もう!わかるでしょう!」
「だってー」
「誠!」
それからもつくしと誠はギャギャ言い争って・・・俺は蚊帳の外。
「まさに・・・ミニ司だな。」
総二郎が声を掛けてきた。
「ありゃ将来が心配だな。まぁーあいつがいればどうにかなるだろうが」
あきらの奴!!!ため息なんかつきやがって!!!
それでも長年の幼馴染たちとの会話は心を和ませる。
こいつらにも子供がいて誠と同じ年だ。
幼稚舎ではかつて俺達がそうであったように注目を浴びているとつくしから聞いた。
本当に将来どうなるのだろう?
まぁ!つくしがしつけているから俺達のようにはならないと思うが・・・
なぜか・・・嫌な予感が胸を掠めた。
談笑をしているうちに誠の挨拶の時間だ。
俺が先に壇上に立ち挨拶をし、マイクを誠に託す。
つくしは・・・おい!何お祈りしてんだよ!
神頼みか?
神頼みされる俺の息子・・・気の毒に思った。
「こんばんは、今日は僕の5つの誕生日にお集まりいただきありがとうございます。
こんごとも父同様よろしくお願いします!」
ペコリと頭を下げる。
ホッ・・・10秒にも満たない言葉だったが間違わずに言えた。
安心したのもつかの間!!!!
まーこーと!!!!
なんと!!!誠の奴は階段を降りようとしてスッ転び!!!
受け止めようとしたつくしに・・漫画じゃないんだ!!!唇が重なりちゅーーー。
その光景が目に焼きついて・・・その後の話なんて覚えてねぇー
パーティも終わりつくしが誠を寝かしつけて俺達の寝室に戻ってきた。
「誠!熟睡ね!今日は疲れたんだね。それにしても!挨拶ちゃんと出来てよかった〜」
おい!俺はその挨拶の後の事が気に食わないんだよ!!!
「おい!何だよ!さっきのは!!!」
「へっ??」
「だから!誠と何キスしてんだよ!その後顔赤らめたよな!!!」
「だって・・・恥ずかしかったんだもん!」
ブチ・・・俺の中の何かが切れた。
つくしをグイッと自分の方に抱き寄せ唇を奪う。
「ちょ・・・うっ・・・」
ゴチャゴチャと相変わらずうるせぇー
つくしが俺の胸を叩き抗議してくるが・・・
そんな行動なんてしらねぇー
苦しそうな顔なんてみえねぇー
クタッとなるつくし・・・しまった・・・
俺はため息をついてつくしをベットに寝かして意識が戻るのを待った。
数分後・・・
「あっ・・・あたし・・・」
「わるかった・・・」
そう言って俺はつくしを抱きしめた。
「もう!どうしたのよ・・・」
「誠がわりぃーんだよ!何時も『ママ!ママって!』それにキスまでしやがって!!!!」
俺の顔は赤かったと思う。
かっこわりぃー5歳児に焼きもち。
しかも自分の息子に・・・
つくしにも・・・呆れられるな・・・
「司・・・誠に焼きもち・・・プッツ・・・自分の息子だよ。大体キスだって事故だよ事故!」
「ふん!どうだか!誠の奴わざとかもしんねぇー!!!あいつはそういう奴だ!」
「あんたに似てね」
「俺はそんな事・・・」
『そんな事ない』とはいえねぇー
過去を思い出す・・・何度事故を装ってつくしとキスをしたか・・・
つくしはそんな俺を見ながらキスをしてきた。
そしてこういう。
「あたしがキスをしたいと思うのは司だけだよ。」
「本当か!!!」
「うん・・・あっ・・・司がキスをしたい相手は?だれ?」
「決まっているだろう?」
バーカ
俺が焼きもちを焼くのはお前だけ。
俺だけを見てくれ。
男なんかに微笑みかけるな。
たとえそれが・・・誠でも許せねぇー俺。
俺は相当お前におぼれている。
愛情は世間では結婚すると同時に消えるというが・・・。
そんな事俺には関係ねぇー
つくしに対する思いは増すばかりだ!!!
それから俺達はあま〜〜〜〜い時間を過ごした♪
で・・・情事の後俺は気になっていた事をこいつに聞く。
「なっ!誠のお願いって何だ?」
するとつくしは顔を赤くする!
何だ!!!気にいらねー!
「えっと・・・あのね!誠がね」
続きは俺に囁きかけるように・・・
俺は赤くなった。
「で・・・お前はどう答えたわけ?」
「えっ・・・っと・・・努力するって」
♪♪♪
「じゃ!頑張るか!」
「はっ?ちょっと!!!もう・・・・・・」
誠!!そんなお願いなら何時だってかなえてやるぜ!
『ママ!僕のお願いはね!妹が欲しいんだ!ママに似た!』
その数ヵ月後誠のお願いは見事に叶う。
「梓ちゃん!お兄ちゃんだよ!ワッ!笑った!やっぱり!
パパなんかよりお兄ちゃんのほうが好きだよね♪
梓ちゃんはパパみたいに日本語の弱い人間になっちゃいませんように!
お兄ちゃんが神様にお祈りしてあげるね!」
そう言って手を合わせて天を仰ぎこういった。
「梓ちゃんがパパではなく俺に似ますように!」
「おい!何だよそれ!!!俺の子なんだから俺に似るんだ!
女は父親に似るっていうしな!ケッ!ざまぁーみろ!」
しかし・・・誠も負けてはいない。
「ケッ!最初に梓ちゃんにキスしたのはこの俺だもん!パパは二番目〜
ざまぁーみろ!それに・・・えーっとDHAそれはお肌にいい奴・・・
あっ!DNAだ!!!遺伝子上に組み込まれているから似るのは当たり前!
似なかったらやばいでしょう!梓ちゃんは僕と結婚するんだ!誰にも上げないもん!」
「なっ!!!お前にかわいい梓をやれるか!いや!誰にもやるか!」
「そうだ!梓ちゃんは俺のだ!」
「何!俺のだ!つくしもな!」
「ママと梓ちゃんと俺は血が繋がっているんだ!けっ!パパは違うから仲間はずれ〜」
「なんだと!!!お前!」
「世の中にお前という名前の人はいないよ〜相変わらずだね〜」
「このクソガキ!」
「煩い!二人ともい加減にしなさい!梓が泣くでしょう!」
こんな会話が毎日のように繰り返されている・・・
つくし争奪戦に加え梓争奪戦。
果てしない息子との戦いだ・・・
でも・・俺はこの状況をひそかに楽しんでいたりもする。
俺の宝物たちは今日も元気に俺の周りではしゃいでいる。
俺は世界一幸せだ!!!
もちろん!一番の宝は俺の妻である!
つくし!お前だ!安心しろ!
お前は恥ずかしいというが何度でも言ってやる!
「お前は最高の俺の女。お前以外は一生誰も愛さない。愛せない
だから俺のそばで、その満開の花のような笑顔を見せてくれよ。
一生愛する事をもう一度誓おう。つくし・・・愛している。」
終わり
いやー恥ずかしいです。
司は結婚してからもつくしちゃんの事になるとこうなるのかもしれませんね。
息子は最大のライバル!!!と断言している司!!!ファイト!!
といって応援しております。
このお話シリーズ化するかもしれませんね。
梓ちゃんが主役のお話も書いてみたいなぁ〜と考えている楪でしたぁ〜
華蓮ちゃん!こんなつたない文章を受け取ってくれてありがとう。
楪でした。